2018.07.22

「トーレス・シフト」に変更の鳥栖。
新戦術はプラス要素だらけ

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by AFP/AFLO

 フェルナンド・トーレスは、J1サガン鳥栖に入って活躍できるのか?

 7月18日、鳥栖は湘南ベルマーレとの試合を戦っている。トーレスは登録の関係上、この日はプレーしていない。練習に合流してまだたったの2日。最後にボールを触ったのは5月だっただけに、ゲームでプレーするコンディションでもなかった。

アトレティコ・マドリード、リバプール、チェルシーなどでゴールを量産してきたフェルナンド・トーレス はたして、鳥栖は”大物”トーレスをどのように受け入れるのだろうか。直近の一戦は検証に値した。
 
 BMWスタジアム平塚。鳥栖の立ち上がりは重かった。ロシアW杯による再開後、初のゲームということはあったし、記録的な猛暑と湿度のせいもあったか。湘南が捨て身とも思えるほどのハイプレスを仕掛けてきたことで、押し込まれたのもあるだろう。48分には、バックラインの裏に走り込まれ、クロスを合わされ、あっけなく失点を喫している。

 しかし、0-1になって湘南がラインを下げたことで、鳥栖は息を吹き返した。

 鳥栖のマッシモ・フィッカデンティ監督は4-3-1-2という変則システムを用いているが、3年目でその練度は高い。右インナーの福田晃斗がスペースに走り込むことで、マークが外れ出し、アンカーの高橋秀人が大きく早い展開を見せられるようになり、右サイドバックの小林祐三がじわじわと攻め上がる。また、チーム内で最も高い技術を持つ小野裕二が存在感を出すようになった。

 そして81分、左サイドの吉田豊のクロスを相手ディフェンダーがクリアしきれず、オウンゴール。鳥栖は1-1に追いつき、そのまま引き分けた。

「前半は予想どおり、両チームがハイプレスを掛け合い、ロングボールの奪い合いになった。後半は全体としてはよかったと思う。失点後は湘南が高いラインを保てず、つなげなくなったことで押し込んだ。得点するのが遅く、逆転する力は残っていなかったが……」