中村憲剛があえて指摘。ロシアW杯で出番ゼロの大島僚太にないもの (3ページ目)

  • 佐藤 俊●取材・文 text by Sato Shun
  • 松岡健三郎●撮影 photo by Matsuoka Kenzaburo

「優勝したフランス(のボランチ)には、(ポール・)ポグバと(エンゴロ・)カンテがいて、じゃあゲームメーカーは?っていうと、(アントワーヌ・)グリーズマンがやっていた。ボランチじゃない選手を、無理にボランチにしたり、ゲームメーカーにしたりしていなかった。

 その国にいるタレントありきというか、いる選手を(その選手に合ったポジションで)そのまま使って、その個性を100%、出そうとしていた。

 ブラジルも(サイドバックの)マルセロとダニエウ・アウベスがゲームを作って、中盤の3人がハードワークをする。アウベスが故障していなくなったんで、(フィリペ・)コウチーニョを使っていたけど、ボランチの"ゲームメーカー"というのがなくなってきているよね。

 クロアチアは、(イバン・)ラキティッチと(ルカ・)モドリッチの個性を(ポジションは関係なく)存分に生かしていた。同じくウチだったら、僚太がいるんで、彼のよさを存分に生かすようにすればいい。今回のW杯は、ボランチだから(ゲームを作る)というのがなく、(各ポジションで)各々の選手の特徴を十分に生かす流れになっていた」

 日本代表では、柴崎岳が自らの個性を発揮し、輝いた。中村の言うW杯の流れに乗って評価を高めた選手のひとりだが、大島にとっては今後、強力なライバルとなる存在だ。

 ふたりとも、個性は違うものの、ゲームを作れる選手。これからも、日本代表ではレギュラーの座をめぐって椅子を争うことになるだろうが、中村は「どっちを使うか、という論争はしなくてもいい」という。

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