ヴィッセル、さらにビッグネーム獲得か。J1再開で勢力図が激変する (2ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by AFLO

 このように、すでにはっきりとした勢力図が描かれているなか、この中断期間に各チームは積極的に補強に動いている。なかでもビッグニュースをもたらしてくれたのは、ヴィッセル神戸だ。ワールドカップ開幕を控えた5月24日、バルセロナよりアンドレス・イニエスタを獲得。世界屈指のメガクラブの主軸を担う現役スペイン代表(ワールドカップ後に代表引退を表明)の獲得は、Jリーグの歴史上でもっとも衝撃的なビッグディールとなった。

 イニエスタについては、すでに詳細を語る必要はないだろう。今年で34歳となったが、ワールドカップでも証明されたように、その能力に陰りは見られない。さまざまな攻撃性能を高いレベルに備えるこの天才アタッカーが、現在6位と健闘する神戸をさらなる高みに導いていくことは間違いないだろう。

 もっとも、気になるのは「先輩Jリーガー」のルーカス・ポドルスキの状態だ。7月12日に左足剥離骨折で全治6週間と発表されている。ワールドクラスの共演はしばらく持ち越しとなりそうだが、いずれにせよイニエスタのプレーは神戸だけでなく、他チームのファンにとっても再開後のJリーグでもっとも魅力的なコンテンツになるはずだ。

 一方で、神戸は2年前の得点王であるレアンドロ(→東京ヴェルディ)と韓国代表のチョン・ウヨン(→アル・サッド)を放出。さらにハーフナー・マイク(→ベガルタ仙台)、小川慶治朗(→湘南ベルマーレ)とふたりのFWもレンタル移籍させている。外国人枠をひとつ空け、FWの数も減らしていることから、さらなるビッグネームの補強も匂わせている。Jリーグの夏の補強期間(第2登録期間)は7月20日から8月17日と設定されており、それまでにサプライズも起こりうるかもしれない。

 また、神戸に次いで、サガン鳥栖も"衝撃"を提供してくれた。7月10日に元スペイン代表FWのフェルナンド・トーレス(前アトレティコ・マドリード)の獲得を発表。一時は暗礁に乗り上げていたものの、粘り強い交渉の末に獲得にこぎつけている。

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