鹿島・鈴木優磨のプロ意識。いいプレーのため、私生活で幸運を集める (3ページ目)

  • 寺野典子●文 text by Terano Noriko 井坂英樹●写真 photo by Isaka Hideki

――そんな鈴木選手にとって、クラブワールドカップはどんな時間でしたか?

「すごい楽しかったですね。あの1カ月間は僕の人生にとって、もっとも濃密な1カ月でした。対戦するチームはみんな大陸が違うので、対戦相手によってディフェンス(の仕方)も全然違うんですよ。それを体感できるだけで、ワクワク感がありました。どうやって攻略するかを考えることが楽しかったし、すぐに試合が来るし、本当に成長できたと思いますし、海外でプレーしたいなって思うようになりました」

――しかし、2017年シーズンは監督が代わったことも影響したのか、先発出場機会も減って、ほとんどがベンチスタート。不甲斐ないシーズンだったと思うのですが、それはクラブワールドカップでの経験が悪いほうに影響した部分があったのかと思うのですが。

「なんかちょっと、ギャップみたいなものがあったかもしれないです。調子に乗っているというんじゃなくて、燃え尽きたみたいなところがあったのかもしれません。

 監督が大岩(剛)さんに代わり、先発起用されなくなって、本当に自分に腹が立った。今思えば、自分のコンディションも全然よくなかったんです。身体を強くしたくて、多少体重を重めに設定したんです。だから、動けていなかった部分も現実としてあったと思います。今シーズンは元に戻しました。とにかく今年は、去年の二の舞にはなりたくないという思いが強いんです。

 個人としてもチームとしても優勝を逃したのはもちろん悔しいですけど。何もできなかった自分の不甲斐なさがすごくあった。監督の信頼を全然得られなかったし、それにふさわしい仕事もできなかったから」

――ユース時代にコーチ、監督だった熊谷浩二さんから学んだこととは?

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