フットサルFリーグが大改革!「2ディビジョン制」で2部に8クラブ (2ページ目)

  • 河合拓●取材・文 text by Kawai Taku
  • photo by AFLO

 ただ、2ディビジョン制とはなったが、仮に今季F2リーグ戦やF1参入プレーオフを勝ち抜いても、実はほとんどのクラブは来季F1に参入することができない。リーグのF1参入プレーオフの大会要項には「2試合を開催し、勝利チームがFリーグディビジョン1に残留または昇格する。ただし、昇格するチームにF1クラブライセンスが付与されていない場合、F1チームが残留する」と記されている。このF1クラブライセンスの基準を満たしているのは、ボアルース長野とデウソン神戸の2クラブのみだという。そのため、この2クラブ以外がF1参入プレーオフを勝ち抜いても、入れ替えは起こらないのだ。

 とはいえ、ほとんどのF1クラブも経営面で苦労をしているのが現状だ。多くの人たちを巻き込み、新たな自分たちの本拠地となるアリーナを見つけられるくらいでなければ、「第2のデウソン神戸」となってしまう可能性も高い。その神戸を含め、特に初年度のF2を戦う8クラブは日本のフットサル界を活性化させるカギを握っているだけに、ピッチ内外でどのような活動をしていくかに注目したい。

 話を16日に開幕するF1に戻そう。デウソン神戸の自主降格があったF1だが、今季も日本の最高峰リーグは12クラブで競われる。デウソン神戸の抜けた穴を埋めたのは、「Fリーグ選抜」だ。このクラブは、F1の各クラブから出場機会を得られていない20代前半の選手をリーグが集めて結成した、いわば寄せ集めのチームだ。

 交代が自由にできるという競技の特性もあって、フットサルは30代後半の選手であってもチームの主軸を担うことができる。そのため、クラブが意識的に世代交代に取り組まなければ新陳代謝は起きにくく、各クラブはなかなか若手を起用できなかった。その意味では、フットサル界全体にとっての救済措置ともいえる。

 もちろん、各クラブで出場機会を得られなかった若手の集まりだから、F1で苦戦することは間違いないだろう。だが同時に、若い選手たちの潜在能力は侮れない。

 2016年にはコロンビアでフットサルW杯が開催されたが、その直前にタイで「タイランド5s」という大会が開催された。タイ、イラン、カザフスタンがW杯メンバーで最後調整を行なった大会に、W杯の出場を逃した日本はU-20代表メンバーを中心としたチームで臨んだ。

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