J3トップを争うセレッソU-23。その育成はバルサ型かレアル型か (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by AFLO SPORTS

 スペインでは、セカンドチームは2部までは成績次第で昇格することができる。厳密に言えば、トップチームのひとつ下のカテゴリーまで(例えばトップチームが2部だったら3部まで。もしトップチームが降格してきた場合、自動降格の憂き目に遭う)。セカンドチームも実力主義の中で揉まれている。

 スペイン王者FCバルセロナは、セカンドチームであるバルサBが2部に在籍。リオネル・メッシ、アンドレス・イニエスタ、セルジ・ブスケッツなどはバルサBを経験(当時は3部だった)している。現在、バルサは降格危機にあるセカンドチームを2部に残留させるために手を尽くしているが、その理由は明白。選手をトップチームに昇格させるためには、カテゴリーが2つも下だとレベルの差がありすぎるのだ。

 もっとも、別の考え方もある。

 欧州王者レアル・マドリードは、セカンドチームであるカスティージャが3部に属している。彼らの場合、3部リーグ以上の実力がある選手に関しては、積極的に他クラブへ貸し出すのがポリシーだ。現在トップに在籍するダニエル・カルバハル、ルーカス・バスケス、ボルハ・マジョラル、ヘスス・バジェッホ、マルコス・ジョレンテなどはいずれも出戻りである。レンタル先で結果を出すことで大人に成長し、トップに戻って先発を争っている。

 この日、セレッソU-23はYSCC横浜と1-1で引き分けた。だが、試合後半は優勢に試合を展開している。右サイドからのクロスにファーサイドで山田が合わせたシーンなどは、トップチームのワンシーンと重なった。

 そのプレーのひとつひとつが「セレッソの未来」となるのだろう。

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