西野監督「御前試合」で浦和レッズの代表候補メンバーは何を思ったか (3ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by Getty Images

 槙野のプレーからは、ある種の余裕が感じられた。

 遠藤と同様に守備機会は少なかったものの、後半から鳥栖のFWビクトル・イバルボがピッチに立つと、その存在感は強まっていった。高さと強さを備えた強靭なコロンビア人ストライカーに対し、槙野は臆することなく立ち向かっていく。ロングボールの競り合いではすべて勝利し、カウンターを浴びた場面では身体を弾き飛ばされながらも、突破を阻止した。

「イバルボが後半から出てくるのは想定していましたし、彼のプレーは頭に入れていました。空中戦、地上戦といろんな局面でマッチアップがあったけど、楽しみながらやれました」

 日本の初戦の相手であるコロンビア出身の元代表選手を完璧に抑え込んだ手応えは小さくないだろう。しかし、槙野は満足した様子も見せず、さらなる高みを見つめる。

「イバルボはもちろんいい選手だけど、(世界では)もっともっと力のある選手がいると思います。そういう相手に対してどれだけできるか、というところを意識して残り2試合をやっていかないといけない」

 西野監督が「これまでの選手がベースになる」と語っている以上、槙野の立場は揺るがないだろう。焦点は、ロシアでどれだけ活躍できるかだ。31歳にして初めて迎えるワールドカップの舞台で、かつて「調子乗り」と呼ばれた男が日本のカギを握る存在となるかもしれない。

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