2018.05.14

西野ジャパンでも使える「ホットライン」
大島僚太と小林悠は準備OK

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Masashi Hara/Getty Images

 どんなに川崎がパスワークに優れていたとしても、自陣で守備ブロックを作る柏に対し、ブロックの外でボールを回しているだけでは何も起きない。誰かがブロックの中にスペースを見つけ出し、タイミングよく潜り込んでパスを受けなければ、相手ディフェンスに連鎖的なズレは生じない。

 もちろん、ブロックの中に入ってパスを受けるということは、その一方でリスクも生じる。そこでボールを失えば、相手にとっては絶好のカウンターのチャンスになりかねないからだ。

 だが、大島は柏の出足が鈍り始めた後半、守備ブロック内に生じるスペースを見逃さず、タイミングよく潜り込んでパスを受けることで、攻撃のきっかけとなるクサビを打ち込んでいった。

 しかも、ただパスを受け、さばいていただけではない。相手の寄せが甘くなれば、自らドリブルでも仕掛け、柏ディフェンスをジワジワと後退させていった。直接得点に絡んだわけではないものの、緩急を使い分け、川崎の攻撃をコントロールしていたのは、間違いなく大島だった。

 ピッチ全体を視野に収め、攻撃を操る大島のセンスには、小林も一目置く。だからこそ、相手DFを背負って待つ小林は、「(パスコースとなる)間を閉められても、僚太には『チャンスがあったら、(縦パスを)入れてくれ』と話していた」という。

 結果的に、この試合で大島→小林のホットラインは開通しなかったが、小林が半身で構え、大島がボールを持つという状況が、柏にどれほどの圧力をかけたかは想像に難くない。