崖っぷちのガンバ。東口「顔面損傷」で
必死の勝利は浮上につながるか

  • 佐藤 俊●取材・文 text by Sato Shun
  • photo by Nikkan sports/AFLO

 前半11分だった。セレッソ大阪のGKキム・ジンヒョンが、ガンバ大阪のDFラインの裏へロングボールを蹴り込んだ。

 そのボールに反応したガンバのDF三浦弦太は、セレッソのDF丸橋祐介とFW柿谷曜一朗がこぼれ球を狙って迫ってきているのが見えた。奪われないよう、懸命に下がっていって、ヘディングでクリアしようとボール目がけて勢いよく跳んだ。

 その刹那、頭と体にものすごい衝撃を感じた。

 三浦同様、ボールをクリアしようとしたGK東口順昭と激突したのだ。スタンドを埋め尽くした大観衆の歓声にかき消されて、東口の声が三浦にはまったく聞こえなかった。

「キャー」という悲鳴がスタンドのあちこちから上がるなか、東口と三浦がピッチ上に倒れ込んだ。しかし、プレーはまだ続いていた。東口は痛みをこらえて必死に立ち上がってゴール前に戻ると、セレッソのFW柿谷のヘディングシュートを弾き出す。そのこぼれ球をガンバのDFファビオがクリアし、ようやく笛が吹かれた。

 再び、東口が顔を押さえてピッチに倒れる。三浦は地面に伏したままだった。

 ドクターがピッチに入って、両者の治療が続く。

 しばらくして、ふたりとも起き上がったが、東口の右頬はかなり腫れ上がって変形していた。

東口順昭の右頬はかなり膨れ上がっていた東口順昭の右頬はかなり膨れ上がっていた

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