アダイウトン離脱で点が獲れないジュビロ。「救世主」候補は1人いる (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 望月文夫●撮影 photo by Mochizuki Fumio

 今季J1第4節のサンフレッチェ広島戦にわずか1分間ながら途中出場し、リーグ戦復帰の第一歩を踏み出すと、清水戦では76分から交代出場。前線で積極的にボールを引き出すだけでなく、セカンドボールも果敢に競り合うなど、積極的なプレーが目についた。小川は「チームを勝たせられるようにという思いで臨んだので残念」と言いながらも、手ごたえを口にする。

「途中出場の選手には重要な役割がある。前線でしっかりボールをキープして、攻撃の流れを止めないことを意識してピッチに入ったので、そこに関しては悪くなかったかなと思う」

 現状では、磐田は最前線にFW川又堅碁を置く「1トップ+2シャドー」を基本布陣としているが、小川を川又と並べる「2トップ+トップ下」が可能になれば、攻撃にバリエーションが生まれ、前線の厚みも増すはず。小川は「堅碁くんが前を向いた瞬間に動き出すことを意識した。(2トップの)連係は悪くなかった」と言い、こう続ける。

「2トップでやらないと攻撃の厚みも出てこないと思うが、2トップでもやれるということを監督にもっともっとアピールしないと、なかなかシステム変更はされないと思う。自分が途中出場したときや練習からでも、2トップでアピールしたい」

 とはいえ、長期離脱明けの、しかもリーグ戦ではほとんど実績を残していない20歳に、性急な結果を求めることは酷でもある。本人も「ヒザのことを第一に考えて、まずは焦らないこと。ああいう大ケガからスッと戻れるとは思っていない。これからのサッカー人生に関わってくると思うので、セーブする勇気も持たないといけない」と、冷静に足もとを見つめる。

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