2018.04.01

もったいないヴィッセル。
ポドルスキは前線にいるほうが怖いのに…

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 そして後方でボールを奪えば、丁寧なビルドアップから相手の隙をうかがっていく。もっとも、ボール保持の時間は長かったものの、決定的なチャンスは生み出せない。ここに神戸の”もったいなさ”が浮かび上がる。

「もっと危険なところにパスを出すことをやっていかないといけない」

 そう振り返るのは、今季ベガルタ仙台から加入したMF三田啓貴だ。高い技術と走力が光る左利きのボランチは、現状の課題をこう指摘する。ボールは回せるが、バイタルエリアにはなかなか進入できない。いわば、ただ回しているだけの状態に過ぎなかったのだ。

 こうした現状を危惧し、ハーフタイムに吉田監督が「ただボールを回すだけではダメだ。常に前を意識しないといけない」と檄(げき)を飛ばしている。もっとも、危険な位置にパスを入れられないのには理由があっただろう。それは、本来そこにいるはずのポドルスキがいなかったからだ。

 前半のポドルスキはビルドアップに加わろうとする意識が強すぎて、低いポジションにいる時間が多かった。時に最終ラインの位置にまで降りてきて、”出し手”の役割を担っていた。もちろん、高い技術を備えるこのストライカーは出し手としても機能していたが、しかしその分、前線の人数が足りず、攻撃に厚みを生み出せない状況を作ってしまっていたのだ。

「彼がビルドアップに参加することで助かっている部分はあります」

 同じく出し手を務める三田はそう振り返る。ただ一方で、もどかしい心境も吐露した。

「(ポゼッションを)作ってから前に出るということはルーカスにやってほしいと監督も言っているので、そこはもっと要求していきたい。彼が下がるのであれば、自分がもっと前に絡んでいくことも意識していかないといけない。(大槻)周平君やマイク君を孤立させないのが大事かなと思います」