死の淵からよみがえったラモス瑠偉が、日本ビーチサッカーに魂を注入 (2ページ目)

  • 小崎仁久●文 text by Kosaki Yoshihisa
  • photo by Getty Images

 ビーチサッカー日本代表は、第1回W杯でベスト4という成績を残したことから、すべてのサッカー日本代表の中で「最も世界の頂点に近い」とも言われていた。だが、期待されながら足踏みを続けているうちに、なでしこジャパンが先に「世界一」の称号を手にした。

 昨年のアジア選手権(兼ワールドカップ・アジア予選)では、急成長を遂げているUAEやイランといった中東勢に苦戦して3位。滑り込みでW杯切符を手にしたものの、W杯バハマ大会は予選リーグで1勝2敗と精彩を欠き、3大会ぶりに決勝トーナメントに進むことができなかった。

 世界一への道は遠のき始めている。近年の代表チームについて、ラモス監督は「アジアで勝つことはまったく簡単じゃない。でも、A代表もそうだけど、粘りやファイト溢れるプレーが足りない」と苦言を呈す。

「選手たちにはもう一回、日の丸の重みを感じてほしい。ビーチだろうがフットサルだろうが、野球だろうがゲートボールだろうが、どんな競技でも代表に選ばれたら日本を背負っていることに変わりはない。もっとプライドを持ってプレーしてほしい」

 その物足りなさを埋める指揮官として、ラモスほど適任な男はいない。

 ビーチサッカーの国際Aマッチに102試合、W杯に7度出場し、過去にラモス監督のもとでもプレーした田畑輝樹(てるき・ヴィアンティン三重BS)は、「やはり熱い人。『最終的には気持ちだ。絶対に負けてはいけない』ということは常に言われました。勝負への情熱はトレーニングにも表れていた」と当時を振り返る。

 2019年に開催されるW杯に出場し、ベスト4以上の成績を残すための戦力について、新監督は会見で「何人か声かけてみようかなと......。(中村)俊輔や遠藤(保仁)とかどうかな」と発言して会場を沸かせた。

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