最下位ガンバ、危うし!「守れず、
攻められず」も想定内といえるのか

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 ガンバ大阪が苦しんでいる。開幕3連敗。ひとつの勝ち点も手に入れることができず、順位表の一番下に、その名前が記された。

ガンバ大阪はレヴィー・クルピ監督に再建を託したのだが......ガンバ大阪はレヴィー・クルピ監督に再建を託したのだが...... 昨年のJ1リーグ王者・川崎フロンターレの本拠地に乗り込んだ一戦は、立ち上がりから危うい気配を漂わせていた。

 開始早々に右サイドを崩されてMF家長昭博に決定的なシュートを見舞われると、8分にはコーナーキックのこぼれ球をMFエドゥアルド・ネットに蹴り込まれ、早々に失点を喫した。その2分後にもFW小林悠にあわやという場面を作られるなど、大量失点も覚悟せざるを得ない展開となっていた。

 その後は相手がペースダウンしたこともあり危険なシーンこそ減ったが、川崎Fにいいようにボールを回されてしまう状況に変わりはなかった。とりわけ縦パスへの対応がもろく、簡単にくさびを通されてはピンチを招いた。

 もちろん、川崎Fのボール回しは称賛されるべきクオリティを備えていたが、もっとも危険な縦パスをこれほど簡単に通されるチームも珍しい。まるで攻撃の練習でもしているかのように、ストレスフリーでボールを回す川崎Fの猛攻にさらされて、G大阪は守勢に回るほかなかった。

 後半立ち上がりにもカウンターから失点したG大阪は、さしたる反攻を示すことなく、敗戦を受け入れている。

 その不甲斐ないパフォーマンスは数字にも表れた。川崎Fのシュート数が16本だったのに対し、G大阪はわずか2本。前半に限ればゼロだった。守れない、攻められない。J1王者が相手だったとはいえ、G大阪の不甲斐なさが浮かび上がる一戦というほかない。

「ある程度ボールを握られるのはしょうがないと思いながらやっていましたけど、もう少しチャンスを作りたかった。攻守両面でもう少し精度を上げていかないといけない」

 MF遠藤保仁はいつもどおり淡々とした口調で試合を振り返ったが、課題は山積みであることをうかがわせた。

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