お荷物クラブ、グランパスが初タイトル。ベンゲルのサッカーで勝てた (3ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi

 さらにその1分後には、小倉から右サイドに出たボールを、ストイコビッチがマークをかわして左サイドの平野へ。平野が切り返して相手DFを振り切ってシュート。勝負を決定づける3点目を決めた。

天皇杯を制し、クラブ初タイトルを手にしたグランパス photo by AFLO天皇杯を制し、クラブ初タイトルを手にしたグランパス photo by AFLO

 その後、危なげなく相手のパワープレーをしのいだグランパスの選手たちは、試合終了のホイッスルが鳴った瞬間、歓喜の雄叫びをあげ、ガッツポーズを繰り返した。グランパスらしいワイドの揺さぶりと飛び出し――1年の集大成のような内容だった。

 澄み切った国立競技場の空に、グランパスの凱歌が鳴り響く。メインスタンドの壇上にグランパスの選手たちが並び、キャプテンの伊藤裕二が天皇杯を高々と掲げた。

 通訳の村上剛には、教え子たちの晴れ姿をピッチから眺めるベンゲルの目に、涙が光ったように見えた。

(つづく)

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