2018.03.04

これならもうJ2に落ちない。
湘南ベルマーレがJ王者に見せた新境地

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki

 湘南ベルマーレは昨季J2で優勝し、一昨季のJ2降格からわずか1年でのJ1復帰を果たした。今季J1の舞台に立つ湘南にとって、これが最近6シーズンで3度目のJ1昇格となる。

 ひとたびJ2へ降格してしまうと、苛烈な昇格争いに飲み込まれてしまう”元J1クラブ”が少なくないなか、湘南はいつも1年でJ1へ戻ってくる。「湘南スタイル」と称される運動量豊富なサッカーを武器に、J2のライバルたちをねじ伏せてきた戦いぶりは、内容的にも称賛に値する。

昨季J2を制して、J1に復帰した湘南ベルマーレ。photo by Yamazoe Toshio とはいえ、最近6シーズンで3度目のJ1昇格は、裏を返せば、その間に2度のJ2降格を味わってきたことを意味する。J2では「湘南スタイル=自分たちらしさ」を存分に発揮して勝ち上がるものの、J1になると、そうは勝たせてもらえない。湘南は近年、その経験を繰り返してきた。

 だが、湘南は決してJ1で自分たちらしさを出せなかったわけではない。それどころか、J1の舞台であろうとも、敵陣からプレスをかけ、奪ったボールを速攻につなげる。そんな湘南らしいハツラツとしたサッカーを繰り広げた試合のほうが、むしろ多かったかもしれない。

 にもかかわらず、なかなか勝てなかった。どんなに面白い試合をしても、負けは負け。最近6シーズンのうち、湘南がJ1で過ごしたのは3シーズン。そのなかでJ1残留圏内の15位以上につけられたのは、わずか1シーズンだけだった。