2018.03.02

あの「つま先ゴール」から16年。
鈴木隆行が分析するハリルJとW杯

  • 栗田シメイ●取材・文 text by Kurita Shimei

【鈴木隆行が語るW杯とこの先 後編】

(前編から読む)

 2015年に現役引退を発表し、指導者としての道を進み始めた鈴木隆行。その名を聞いて思い出すのは、やはり2002年日韓ワールドカップ(W杯)でのゴールだろう。グループリーグ初戦のベルギー戦で、0-1とリードされて迎えた後半14分、小野伸二からの少し長くなったパスをつま先に当ててゴールに押し込んだ。

 日本代表のW杯初の勝ち点獲得、ベスト16進出の足がかりを作った鈴木が見た、W杯の景色とは。また、今年6月にロシアW杯を控えた日本代表について、率直な意見を語ってもらった。

日韓W杯のベルギー戦で値千金のゴールを決めた鈴木 photo by JFA/AFLO――今年はロシアでW杯が行なわれます。鈴木さんといえば、2002年の日韓W杯での活躍が印象に残っているファンも多いと思います。

「それは、今でもよく声をかけていただきます。ただ、僕は過去に一切興味がない人間ですから。自分のプレーや、過去のことを映像で見ることがほとんどないんです。それに、当時はまったく余裕がなくて、ガムシャラにやってたので記憶が抜けているんです(笑)」

――当時の代表チームの印象は?

「すごく勝ちに貪欲なチームでしたね。それが選手たちに責任感を持たせることになった。チームとして絶対にグループリーグを突破するという目標があったので、僕自身も『とにかく責任を果たさないと』という思いしかなくて。だから、あの大会はサッカーを楽しめなかったというのもあります。

 大会が終わった瞬間、少しホッとしたのを覚えてますよ。チームの仲も良かったですが、ただの”仲良しチーム”というわけでなく、必要なことは意見もぶつけ合える厳しさもあった。僕はゴンさん(中山雅史)によく声をかけてもらって、有り難かったですね」