2018.02.28

「じげもん」が見たV・ファーレン長崎、
苦節14年で万感のJ1初陣

  • 藤原裕久●text by Fujihara Hirohisa photo by Masashi Hara/Getty Images

 同じような思いは高木監督にもあっただろう。創設時にはアドバイザーを務め、2013年の監督就任後は、毎年のように選手が入れ替わる中で必死にチームをJ1にまで押し上げてきたのだから当然だ。

「親が子供を見るような感じがあるよ、このチームには。誕生したときから知ってるわけだからね」

 昨季のJ1昇格前に聞いた言葉からも、クラブへの強い思いをうかがうことができた。だからこそ開幕戦に勝って、J1でも戦えることを証明したかっただろう。だが、試合はホームの湘南ベルマーレに1-2と押し切られ、初戦での勝ち点獲得はならなかった。

 試合の内容的には収穫もあったし、チームのポテンシャルを考えれば十分に巻き返しは可能だろうが、特に重要な試合と位置付けた開幕戦を落としたことはやはり痛い。次節、ホーム開幕戦の相手であるサガン鳥栖に敗れるようなことがあれば、連敗で浦和レッズを迎えなければならず......そんなことを考えていると、スマホに再びOBからのメッセージが入ってきた。

「長崎、頑張ってましたね。元気もらいました」

 まるで、昔の自分が送ってきそうなメッセージだと思った。考えてみればクラブが誕生して14年、決して楽しいことばかりではなかったし、どちらかと言えば大変なことの方が多かった。それでも、このクラブはここまで勝ち上がってきたし、筆者はそんなクラブとの日々を楽しく送ってきて、今がある。まだまだリーグは始まったばかり、楽観はできないが、悲観する必要はない。そのメッセージを見て、素直にそう思えた。