2018.02.27

「特殊サッカー」に変身したマリノス。
2冠セレッソはどう対応したか

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by AFLO

 たった2ヵ月で、これほどまでに変化を遂げているとは、セレッソ大阪の選手たちも想像がつかなかったに違いない。横浜F・マリノスのことである。

終了間際に同点弾を決めたセレッソの柿谷曜一朗

 2018年元日、両者は天皇杯の決勝で顔を合わせ、C大阪が延長の末に横浜FMを破り、同大会で初優勝を飾った(前身のヤンマー時代を除く)。その試合では開始早々に失点を喫し、前半は相手にペースを譲ったが、後半に入ると猛攻を仕掛けて試合を振り出しに戻す。さらに延長に入った95分、MF水沼宏太が決勝ゴールを奪い、粘る横浜FMを振り切った。

 堅い守りと素早い攻撃を軸としたスタイルで、天皇杯だけでなくリーグ戦でも上位進出を実現した両者(C大阪=3位、横浜FM=5位)だが、攻撃面に一日の長があるC大阪がいずれの戦いでも横浜FMを上回った。そんな印象を抱いた昨シーズンだった。

 守りは堅いが、攻撃面に課題を残す――。それが昨季までの横浜FMだった。そのチームからFW齋藤学(→川崎フロンターレ)とMFマルティノス(→浦和レッズ)という攻撃の軸を担ったふたりが流出し、一方で目立った補強はなかった。

 となれば、特長である堅守の質を、さらに高めるのみ。そう考えるのが自然だろう。

 ところが、今季から指揮を執るアンジェ・ポステコグルー監督の考えは大きく違ったようだ。2月25日に行なわれたJ1リーグの開幕戦、C大阪相手に横浜FMがとった戦略は「ハイプレス・ハイライン」の超攻撃的なスタイルだったのだ。

 高い位置からプレスを仕掛け、最終ラインもハーフウェイライン付近を維持。GKはゴールを空けて、その背後のスペースを埋める。ボールを奪えば鋭いショートカウンターを繰り出し、両サイドのスピードを生かして相手を押し込んでいく。興味深いのは両サイドバックの位置取りで、オーバーラップを仕掛けるのみならず、逆サイドにボールがあれば中央に絞って、まるでボランチのようなポジション取りをする。