今季のエスパルスは「残留争いなんかしない」という、これだけの根拠 (4ページ目)

  • 望月文夫●取材・文 text&photo by Mochizuki Fumio

「残留を決めた昨季の最終節を終えて、翌日からチームはオフに入りましたけど、自分はほぼ休みなしで体を動かしてきました。プロ4年目で初めての試みとなる、オフしないオフです。

 ずっと危機感のある中で戦ってきて、FWの自分がもっと得点を挙げれば、チームも楽になる、という思いもあります。今年の目標は負傷などで戦列を離れないこと。体を動かしてきた効果で、すごくいいコンディションで開幕を迎えられそうです」

"生え抜き"と言えば、ファジアーノ岡山への期限付き移籍から今季復帰したMF石毛秀樹も、精力的な動きを披露。23歳ながら下部組織出身者の中では最年長となり、高い意識を持ってチームの若手を引っ張っている。

「ポジション争いが厳しいのは、チームとして歓迎すべきことだと思う。そして、その争いをユース出身の選手が勝ち抜いて試合に出れば、周囲から見ていいクラブだと思ってもらえる。(ユース出身者の)最年長として、責任を感じながら取り組んでいきたい」

 かつて"サッカー王国"と呼ばれ、リーグ戦においても上位争いの常連だったエスパルス。その分、ファンやサポーターは厳しい目を持っている。

 はたして今季、彼らの期待に応えることができるのか。ヨンソン新体制のもとで変革が進み、選手たちの自覚が高まっている現状を見ると、それは十分に実現可能だ。

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