クルピ新体制で攻撃に苦しむガンバ。
「J2陥落時のような不安が...」

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • photo by Nikkan sports/AFLO

 ポゼッションを好む監督のタイプはさまざまだ。名古屋グランパスの風間八宏監督のようにトレーニングで選手の技術を徹底的に引き上げるタイプもいれば、北海道コンサドーレ札幌のミハイロ・ペトロヴィッチ監督のようにポゼッションのメカニズムをフォーメーションや戦術を通してチームに植えつけるタイプもいる。

 クルピ監督は能力のあるタレントを並べ、自由に気持ちよくプレーさせるタイプ。それならば、中盤では井出遥也や中村敬斗(三菱養和SCユース→)、サイドバックでは米倉恒貴らを積極的に起用し、技術があり、パスをつなぐ術(すべ)を理解している選手たちでメンバーを固めたほうがいいかもしれない。

「3週間でパーフェクトにできるものではない。修正する時間は少ないけれど、課題を一つひとつ潰していって、いいチームにしていきたい」と遠藤は言う。

 今野やFWアデミウソン、MF藤本淳吾といった負傷者が戻ってきたり、20歳のプレーメーカー市丸が自信をつけたりすれば状況も変わってくるだろうが、いずれにしても、つなぐスタイルのイメージや決まりごとを共有するには、実戦を数多く積むしかない。

 名古屋、鹿島アントラーズ、川崎フロンターレ、柏レイソルと難敵との対戦が続く第4節までは我慢しながら、焦(じ)れずにやり続けるほかないだろう。

 勝負は、3月31日に行なわれる第5節のFC東京戦。指揮官は言うまでもなく、昨シーズンまでガンバを率いていた長谷川新監督である。そこで、今シーズンのガンバの真価が問われることになりそうだ。

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