永井秀樹の育成。「天才といわれ、3年後に消える選手にしたくない」 (5ページ目)

  • 会津泰成●文・撮影 text&photo by Aizu Yasunari

「日本サッカー界の宝物になる」
永井がそう絶賛する1年生プレーヤーとは

 2017年12月10日、高円宮杯U-18サッカーリーグ・プリンスリーグ関東の最終節、ヴェルディユースはジェフユナイテッド市原・千葉U-18と対戦。開始3分、初先発を果たした1年生GK佐藤篤輝(さとう・あつき)の痛恨ミスで失点し、いきなり劣勢を強いられた。

 しかし先制を許してから5分後、佐藤と同じ1年生のMF山本理仁(やまもと・りひと)が自ら得たPKをゴール右隅に決めて、1-1の同点に追いついた。

 山本は、たやすく褒め言葉を並べない永井にして、「(中村)俊輔を超える。大げさに言うと"日本サッカーの宝物"になる」と言わしめる逸材だ。

 ゲーム勘のよさや視野の広さは誰もが認めるところ。そのうえで、永井が最も評価しているのは、周囲に騒がれようと謙虚さを失わず、愚直に学び、努力する姿勢にあった。

 山本が語る。

「(永井監督は)質問をすれば的確な答えが返ってくるので、次にどうすればいいか、考えやすい。そういう意味でも、頼れる監督です。

『どうすればスルーパスが通るか』といった技術面もそうですが、サッカーをどのように見ればいいか、ということも教えてくれます。より高いレベルの選手になるための勉強として、テレビで海外サッカーを見ることを勧めてもらい、その試合について、どういう視点で見ればいいかということも、きちんと解説してくれます」

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