19歳レフティー杉岡大暉。「世界基準の左SB」はベルマーレにいた (3ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • photo by Etsuo Hara/Getty Images

 19歳とあって、ポテンシャルをまだまだ生かし切れていない印象も受ける。昨季J2でも、試合ごとの出来には波があった。J1でシーズンを通して活躍しようと思えば、ガムシャラにプレーするだけなく、駆け引きを覚える必要もあるだろう。

 だが、裏を返せば、それだけ伸びしろを残しているということである。

 もちろん、杉岡がJ1でプレーするためには、まずはチーム内の競争を勝ち抜かなければならない。

 昨季は主力として、チーム2番目の出場時間を記録したとはいえ、今季の湘南は左DFに、2013年まで2シーズン湘南でプレーしていた大野和成が、アルビレックス新潟から移籍再加入。左アウトサイドMFには、右ひざの重傷で昨季をほぼ棒に振ったMF高山薫が復帰してきた。まずはJ1経験もある彼らとの争いに勝利しなければならない。

 しかし、今年9月に20歳の誕生日を迎える杉岡は、よくも悪くも粗削り。危うさを抱える一方で、従来の日本人サイドバックのイメージ(小柄だが、スピードとスタミナがある、というような)とは一線を画す、スケールの大きな選手になれる可能性を秘めている。

 昨季のU-20W杯で、最終的に準優勝したベネズエラの強力アタッカー陣と相対した試合を見れば、杉岡がJ1でも十分に通用することは間違いない。少々気は早いが、その活躍次第では、レフティー探しに熱心なハリルホジッチ監督の目に留まる可能性もないとは言えまい。

 スケール感たっぷりの大型サイドバックが、初めてのJ1の舞台でどんな活躍を見せてくれるのか。緑と青の背番号29に注目したい。

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