あえて言う。国内最高のSB、車屋紳太郎と西大伍は「海外組」に勝る (4ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki

 今やSBは、より中盤的になっている。例えば、4-2-3-1で言えば、マイボールに転じると布陣は、2-4-3-1同然に様変わりする。

 西のプレーはまさに中盤的。現在30歳ながら、Jリーグにおいては最も今日的なSBと言っていい。

鹿島アントラーズの西大伍は、高い攻撃力が魅力。photo by Sano Miki鹿島アントラーズの西大伍は、高い攻撃力が魅力。photo by Sano Miki 昨季のJ1最終戦。鹿島はジュビロ磐田に0-0で引き分け、川崎に逆転で優勝をさらわれた。特に後半、圧倒的に押し込みながら、1点が奪えず涙を飲んだ。

 だが、そのときそこに西の姿はなかった。前半早々に怪我で退場を余儀なくされていたからだ。西が最後までピッチに立っていれば、川崎の優勝はなかったかも......と思わずにいられなかった。右サイドからの攻撃は、鹿島の生命線でもあったからだ。

 さらに西は、この怪我のために招集されていた代表チームへの参加を辞退。国内組にとっては"最後のチャンス"と言われた東アジアE-1選手権出場を逃すことになった。

 その後、今季開幕を前にしても、いまだ復帰のメドが立っていない西。W杯メンバー入りには厳しい状況にあるが、サッカーを変えようとするなら、新たに選ばれなければならない最右翼だと考える。

 海外組重視。そしてJリーグのサッカーに否定的なコメントを吐き続けるハリルホジッチ監督に、届きそうもない声であることを承知のうえで、あえて言い切りたい。

 車屋と西。この2人の国内組は、長友、酒井宏の海外組に勝る。

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