今季Jのイチオシ。セレッソの水沼宏太は
「チームに勝利を呼び込む男」

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Jun Tsukida/AFLO SPORT

2018年、私のイチオシ「Jリーガー」(1)
水沼宏太(セレッソ大阪/MF)

「"結果としてチームを勝たせる"というのが、自分が目指しているプレースタイルですかね」

 水沼宏太(27歳/セレッソ大阪)は、自らの信条をそう語っている。

「僕の場合、とにかく90分間、ひたむきに愚直にプレーするしかない。例えば、攻守の切り替えのところが緩慢になってきたら、自分が率先して徹底してみたり。評価されづらいかもしれませんけど、がんばり続けることでゴールにも絡める、という姿を見せ続けるだけです」

ゼロックススーパーカップでもチームの勝利に貢献した水沼宏太ゼロックススーパーカップでもチームの勝利に貢献した水沼宏太 そして2017年シーズン、FC東京からセレッソ大阪に移籍した水沼は「チームに勝利を呼び込む選手」としての真骨頂を見せている。

 川崎フロンターレとのルヴァンカップ決勝では終盤、足が止まりかける時間帯に、全力疾走でカウンターに参加。MFソウザのだめ押し点をアシストしている。

 横浜F・マリノスとの天皇杯決勝では、0-1とリードされる苦しい展開の中、水沼は相手DFをひとりかわして、積極的にミドルシュートを打ち込んだ。これを、GKがこぼしたことで同点弾につながった。

 そして延長戦、ファーポストでポジションを取り、クロスを呼び込むと、会心のヘディングで決勝点を奪っている。

「出来すぎですよ」

 水沼は謙遜していたが、タイトルのかかったゲームで、本来の力を発揮できるのは勝負運を持っているからだろう。その運は実力とも言える。

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