髙田明社長に聞く、V・ファーレン長崎のピンチを救った「経営哲学」 (2ページ目)

  • 刈部謙一●文 text by Karube Kenichi 山頭範之●撮影 photo by Ymagashira Noriyuki

 その髙田氏に、V・ファーレン長崎の1年を振り返りながら、これからのクラブのことなども含めて語ってもらった。
 
――昨シーズン開幕当時の長崎からの報道を見ていると、クラブにはかなりの混乱があったように思えます。億単位の借入金を含めてかなり大変な状況で、まさに「火中の栗を拾う」ようなことだったと思うのですが、なぜ決断されたのですか。

「ジャパネットの社長時代からスポンサーもさせていただいていましたが、2016年や2015年は、ホーム戦を結構観に行っていたんです。ですが、経営に関しての詳細は知るよしもなかったですね。それが2月に突然経営危機となり、『倒産するかもしれない』『累積で(赤字が)3億以上ある』と。

 私の息子がジャパネットで社長になって4年目になるんですが、長くスポンサーをやってきていることもあり、彼が『何とかしたい』と、相談をしにきました、それで立ち上がりました。私自身は会社を辞めていたということもあり、4月25日に私が社長をお引き受けしました。

 スピードある判断をすることがすごく大事ですから、株主のみなさんにもご協力いただき、100%の株式取得を目指しました。お金に関しては、親会社のジャパネットホールディングスに投資をしてもらいましたが、それに報いることが、社長としての役割を果たすということだと理解しています」

――長崎は、Jリーグ入りしてからこれまで5年間、高木琢也監督がチームを指揮してきました。長崎というチームは高木監督の存在なくして語れないと思います。髙田社長の中で今回の決断をするにあたって、高木監督の存在はどうお考えになりましたか?

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