新加入・江坂任は「Jのベンゼマ」だ。柏レイソルが完勝でACL本戦へ (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki 西村尚己/アフロスポーツ● photo by AFLO SPORTS

 柏の攻撃で特筆すべきは、大宮アルディージャから新戦力として加わったFW江坂任だろう。前線でプレーメーカーの役割を見せる。2列目でボールを弾くと、相手の逆をとった形になって、「何かが起きる」という予感が生まれる。ダイレクトのフリックパスは出色。ポジショニングがよく、受け、弾くタイミングは淀みなく、美しい。誇張が過ぎるが、「Jリーグのカリム・ベンゼマ」のようなテンポで攻撃を活性化した。

「(江坂は)すごく賢い選手。両足使えて万能型で。最近、いなかった前線のタイプで、やりやすいです」(柏・大谷秀和)

 柏のプレーの根幹を担うMF大谷とはすでに縦のホットラインが開通していた。江坂はボールを呼び込む能力にも優れ、この日、シュートもチーム最多の5本を打っている。どれもわずかに外れたが、彼が創り出したチャンスによって、相手を追い詰める。

 前半は無得点で折り返したが、後半、柏は一気呵成となった。

 ムアントンがジリ貧に耐えきれず、ラインを高くし、攻撃に出てきたところで、柏は空いた裏のスペースにボールを入れる。撃ち合いになったら、柏有利は歴然だった。51分、ムアントンが跳ね返したボールを右サイドから崩し、伊東純也が折り返すと、クリスティアーノが押し込んだ。

「シーズン初めての試合で硬さはありましたが、守備は安定していました。そこでハーフタイムは、『守備はできているから、サイドからポイントを作っていこう』と。去年から積み上げてきた戦いが1点目につながった。そこからはうまく攻撃できたと思います」(柏・下平監督)

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