スペインには人材がゴロゴロ。J2を席巻するリーガ出身の監督&選手 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki 山添敏央●写真 photo by Yamazoe Toshio

 Jリーグで活躍を見せるラ・リーガ組は、むしろスペインでくすぶっていたところ、新たなチャレンジに踏み出した者たちとも言える。ロティーナも名将の誉れは高いが、ラ・リーガでは直近、3チームを連続して2部に降格させ、海外に働き場所を求めるしかなかった。捲土重来の復活、躍進を懸けて挑む。それが成功の理由なのかもしれない。

 J1昇格を成し遂げたV・ファーレン長崎のファンマも、ラ・リーガでは1部の経験がないFWだ。4部、3部、2部が主戦場で、ギリシャ、スコットランドという海外リーグでもプレーし、徐々にキャリアを積み上げてきた。大柄な体躯(たいく)を生かしたポストプレーはますます冴えわたり、長崎に必要な仕事を遂行できている。

 そして、ファンマのような素材がラ・リーガにはごろごろいる。

 スペインの3部リーグは4つの地域に分かれているだけに、80チームもある。4部リーグに至っては、18地域×20チームで計360チーム。日本で言うJ3やJFLとは、裾野の広さが違う。FC岐阜のGKビクトル・イバニェスも、J2では安定感のある堂々としたセービングを見せているが、ラ・リーガでは3部がメインだった。

 ラ・リーガで実績を積んだスペイン人選手は、下部カテゴリーでも基本的な戦術や体力や技術を身につけている。

「ここでプレーを続けていたら、それはタフになる」

 2部のヒムナスティック・タラゴナに所属する鈴木大輔がそう洩らしているように、「戦闘力」に長けた選手が多い。当然、欧州各国リーグのクラブから引く手あまたで、アジアにも多くの選手が進出している。

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