大迫、平山、浅野...歴代得点王とは違う高校サッカーの「小さな怪物」 (3ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 高橋学●撮影 photo by Takahashi Manabu

 その能力とは、動き出しだ。対峙するディフェンダーの一瞬の隙を突き、あっという間に裏に抜け出していく。その"ラインブレイク"の技術の高さは、名古屋グランパスのFW佐藤寿人を彷彿とさせる。

 今大会、飯島が決めたゴールは全部で7つ。2回戦の初芝橋本(和歌山県)戦で4ゴールを奪うと、3回戦の富山第一(富山県)戦では終了間際に決勝ゴールを奪取。準決勝の上田西(長野県)戦でも2点を記録した。

 7ゴールのうち4得点が得意の裏に抜け出す形から奪っており、2点はこぼれ球を押し込んだもの。もう1点はロングスローを頭で合わせたものだったが、いち早く到達地点を察知するその嗅覚は、まさにゴールハンターの動きだった。

 もっとも、流通経済大柏(千葉県)との決勝戦ではゴールを奪うことができなかった。それは、執拗なマンマークを受けたことが原因だった。

「飯島くんはすごい選手ですから、ほっといたら何点獲られたかわからない」

 流経大柏の本田裕一郎監督が講じた"飯島封じ"の奇策に、小柄なストライカーは大いに手こずった。ボールを引き出そうと動いても、常にとなりには赤いユニフォームの20番――DF三本木達哉(さんぼんぎ・たつや/3年)につきまとわれる。

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