名波監督も「すごいやつだ」と驚嘆。ジュビロを変えた中村俊輔の存在 (6ページ目)

  • 原田大輔●取材・構成 text by Harada Daisuke
  • photo by Takashi Aoyama - JL/Getty Images for DAZN

――中村選手が加入したことによる、他の選手への効果も大きかったのでしょうか。

「他の選手からしてみれば、もうスターなわけですよ。それも、どびっきりの。後光が差しているくらい。だからこそ、その彼がどう振る舞うのか、シーズン当初は注視していたんですけど、本当に事あるごとにチームメイトに声をかけてくれていた。若い選手とも組んで、ストレッチしたり、パス交換の練習をしたり。

 俊輔もまた、よく見ていましたよ。他の選手たちのことを。この選手はどういう性格なのか、この若い選手たちのグループは誰が中心なのか......。プレーの特徴はもちろん、その選手の性格や人間関係まで、シーズン序盤はよく観察しているようだった。

 それで、自分なりにチームメイトの"取扱説明書"を持てたんでしょうね。逆に、自らの"取扱説明書"に関しては、最初からオープンにしていたから、どんどん(他の選手たちとの)距離が縮まっていった。

 その結果、4月~5月くらいまでの1試合におけるボールタッチ数は60~70回くらいだったのが、それ以降は90~100回、多いときは110回にも及んだ。最終的には、彼にどんどんボールが集まっていきました」

――中村選手と同様に、川又選手の活躍も際立っていました。

「俊輔もよく言っているけど、前に向かっていく選手がDFにとっては一番怖い。シュートを打つ選手が最も脅威に感じるんですよ。どんないいパスを出そうが、どんなトリッキーなプレーができようが、相手にとって怖いのは得点を決める選手。(川又は)そういう雰囲気を感じさせてくれた。

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