名波監督が明かす「ジュビロ磐田が13位から6位に躍進した舞台裏」 (2ページ目)

  • 原田大輔●取材・構成 text by Harada Daisuke
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki


最終節では優勝を狙う鹿島相手にも互角以上の戦いを見せたジュビロ最終節では優勝を狙う鹿島相手にも互角以上の戦いを見せたジュビロ――選手たちの目の色も違っていましたか。

「試合前の最後のミーティングでも選手たちに伝えたのですが、我々は2014年のJ1昇格プレーオフで、(相手の)ゴールキーパーに得点を許して昇格を逃した。ある意味、世界中に恥ずかしい姿をさらしたわけですよ。そこから這い上がってきて、(国内トップリーグの)優勝を目前にした相手と戦えるような、大舞台に立つまでになった。それは自他ともに認める、これまでの積み上げであり、成長の証(あかし)だぞ、と。

 ボードに『世界に恥をさらしたクラブ』と書いて、そこから矢印を引っ張って、『大舞台を経験できるクラブ』と書き込み、(選手たちの)視覚にも訴えた。当時を知る選手たちは感慨深かっただろうし、知らない選手にしても(中村)俊輔ら、いろいろな経験をしてきている選手たちも思うところはあったはず。ここまで来るまでの経緯も話しましたから」

――結果、試合は0-0の引き分け。鹿島の優勝を阻止しました。白熱した試合内容からは選手たちの闘争心を感じましたし、昨季の集大成を見るかのような戦いぶりでした。

「鹿島に対して引くことなく、自分たちから積極的に仕掛けていった。アグレッシブに守備をして、ボールを奪ったその勢いのまま攻勢に展開。後ろから選手たちが(ボールを持った選手を)追い越していく動きを見せるなど、迫力のある攻撃を披露してくれた。後半は押し込まれる時間帯も増えたけど、前半の45分間はゲーム内容を含めて、とてもよかったと思います。

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