加地亮が28歳で日本代表を引退した真相。
「自分が壊れてしまうと...」

  • 高村美砂●取材・文 text by Takamura Misa
  • photo by Koji Watanabe/Getty Images

2017年引退特集
加地亮インタビュー(後編)

引退する真意を語るインタビュー前編はこちら>


 2000年から2年間所属していたJ2の大分トリニータで、「プロサッカー選手としての基盤ができた」という加地亮。そこから、彼は一気にスターダムへと駆け上がっていく。 


ガンバに移籍して最初の2、3年......
いや、5年くらいまで、
まったく余裕なくサッカーをしていた

 2002年、J1のFC東京に移籍。加入して半年は、トップチームとサテライトチームを行き来していたが、実はそのときのトップチームのコーチが、加地の現役最後の所属先となったファジアーノ岡山の長澤徹監督だった。加地は長澤コーチと毎日のようにプレーについて対話し、居残り練習を繰り返した結果、圧巻のフィジカル、運動量を備えるようになった。そして、それらを次第にプレーでも生かせるようになっていった。

 そうした成長に伴って、同年の夏過ぎにはトップチームでレギュラーの座を確保。すると、翌2003年10月には日本代表に初選出されて、10月8日のチュニジア戦で国際Aマッチデビューを果たす。以降、不動の右サイドバックとして日本代表に定着した。

「日本代表選出は、自分でも驚きでした。ただ正直、その頃にはすでに根拠のない自信が備わっていたというか。大分での2年間のおかげか、FC東京に移籍したときから『僕はもっとできる。やれば絶対に結果を残せる』という自信があった。その頃はまだ、サテライトとトップチームを行き来していたんですけどね(笑)。

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