高校サッカー選手権「2強」の青森山田、東福岡を倒せるのはどこか? (4ページ目)

  • 粂田孝明(ストライカーDX編集部)●文 text by Kumeta Takaaki(STRIKER DX)
  • 松岡健三郎●撮影 photo by Matsuoka Kenzaburo

 このように今大会で有力視されているのは、青森山田、東福岡の「2強」と、それに肉薄する力を持つ前橋育英と長崎総科大附だが、それぞれ早い段階で激突する組み合わせとなった。順当にいけば、青森山田と長崎総科大附、東福岡と前橋育英が、ともに3回戦でぶつかることになる。

 そうした潰し合いがあると、その間隙を突いて躍進を果たすチームが出てきても不思議ではない。

 侮れないのは、インターハイ覇者の流通経済大柏(千葉県)だ。

 激しいプレスと強固な守備は、大会屈指のクオリティーを誇る。その旗頭となるのは、ボランチの宮本優太(みやもと・ゆうた/3年)。豊富な運動量でボールを奪い、素早く前線につなぐ"流経スタイル"を支える存在だ。

 さらに、宮本の後方で異彩を放つのが、U-17日本代表のDF関川郁万(せきがわ・いくま/2年)。圧倒的なヘディング力で、競り合いでは無類の強さを見せる。インターハイ後には、あるイベントで元日本代表のDF岩政大樹から徹底指導を受けて、またひと回り成長した。

 チームは夏の優勝に慢心することなく、激しいチーム内競争を経て、よりレベルアップしている。激戦区の千葉県予選でも、難敵相手に接戦を制して勝ち上がってきた。底力や粘り強さも増して、夏冬制覇の可能性は十分にある。

 その他にも、台風の目になりそうな存在は枚挙にいとまがない。つまり、今回も優勝候補が早々に消えてもおかしくないほど、予測がつかない大会であることは確かだ。まさしくエキサイティングな高校サッカーの"祭典"。その幕がまもなく開く。

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