柏レイソル・大谷秀和は考えた。「優勝を争うには何が足りなかったか」 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki 山添敏央●写真 photo by Yamazoe Toshio

「ひとりひとりがリーダーシップを持てるか、は課題ですね。若手がもうひとつ殻を破れるか。例えば(伊東)純也はあのスピードで仕掛けられるんで、敵としてはすごく嫌だったと思いますよ。ただ、これだけ活躍したら、来シーズンは相手も必ず対策を講じてくると思います。これまで1人で突破できていたところが難しくなったりする。そうした試合を戦うなかで、もう一個上の怖い選手になれると面白いですね」

 クラブも補強に動いている。センターバックは中谷進之介、中山雄太の若手2人が不動で、2人ともさらなる成長を見込める。しかし、終盤のパワープレーに屈したシーンも少なくなかった。そこで、「高さ、強さのあるタイプも」とセンターバックの獲得候補をリストアップ。中山は20歳でヤングプレーヤー賞を受賞するなど、貴重な左利きの選手だが、競争相手が出現することによってグレードアップできるはずだ。

 また、柏が上位にいた時代を考えると、トップ下で「魔法の杖を振れる」選手が必要かもしれない。2011年にJ1優勝をしたときは、レアンドロ・ドミンゲスが1本のパスでチャンスを創り出せた。武富孝介、中川寛斗というセカンドストライカータイプはいるが、閃(ひらめ)きとスキルのある選手がカードとしてチームにいれば、攻撃はより完成に近づくはずだ。

 現有戦力だけでは太刀打ちできないというわけではない。マイナスを埋めようとすると、逆に失われるものもある。しかし、プロクラブとして競争力を上げる必要はあるはずだ。

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