セレッソ大阪にも「二刀流」。
山村和也がマルチに働き、元日の大舞台へ

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by AFLO SPORT

 あまりにベタなたとえで恐縮だが、先頃MLBのロサンゼルス・エンゼルス入りが決まった大谷翔平になぞらえれば、サッカー版「二刀流」ということになるのだろう。

 12月23日、ヤンマースタジアム長居で行なわれた天皇杯準決勝で、セレッソ大阪がヴィッセル神戸を延長の末に3-1で下し、決勝進出を果たした。

 試合は後半ロスタイム突入目前の90分、神戸が先制。これで勝負は決したかに思われたが、セレッソは直後の91分、MF水沼宏太が起死回生のボレーシュートで追いつくと、延長に入り、FW柿谷曜一朗がPKを一度はGKに弾かれるも、こぼれ球を自ら頭で押し込んで勝ち越し。さらにMFソウザがダメ押しゴールを決め、劇的な勝利を収めた。

 そんな拮抗した試合において異能ぶりを発揮したのが、セレッソの背番号24、FW山村和也である。

天皇杯準決勝で存在感を示した山村和也天皇杯準決勝で存在感を示した山村和也 この試合、2トップのひとりとして先発した山村は、ときにロングボールをヘディングで落とし、ときにクサビの縦パスを巧みにさばき、最前線でセレッソの攻撃をリードした。水沼の同点ゴールにしても、山村がロングボールをヘディングで落としたことで生まれたもの。186cmの長身にして、足もとの技術にも優れた山村ならではの働きだった。

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