世界5位でも強いとは言えない。興梠、柏木らが振り返る今季の浦和レッズ (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Etsuo Hara/Getty Images

 興梠の「個人的には、よくここまで来たな、というレベルだったと思う。今までにもっと強い時期はあったから、(ACL優勝も)運がよかったのかな、という気がする」という発言には、うなずける点が多い。

 10年ぶりのビッグタイトルを手にしたシーズンも、裏を返せば、最近では例がないほどに大きな不安を抱えたまま幕を閉じたとも言える。興梠が語る。

「攻撃に関しては、やっている選手たちが戸惑いを感じながらやっているし、そこは、たぶん堀さんも感じていると思う」

 そのふたつを同時に抱えていることが何とも不可思議な、大きな勲章と大きな不安。だからこそ、今季の浦和は評価が難しい。

 柏木は「(難しい状況が多く)なかなか経験できない1年を経験できた。でも、だから、よかったとは言えない」と語り、こう続ける。

「(目標だった)クラブW杯には出られたけど、内容も結果もともなっていない。そこが、自分たちの弱みかなと思う。このチームはできるだけリスクをなくして勝ってきたというのが現状やけど、リスクを冒さずに攻める分、(攻撃に)厚みが出ない。勝ち切るためには何か必要なことがある」

 興梠もまた、「ミシャがやっていたサッカーは非常に楽しかったし、攻撃に関しては、またそういうサッカーができれば、もっとレベルアップするのかなという気はする」と語るように、堀監督就任後のリスク管理ができたうえで、前監督時代のようなコンビネーションで得点力を高めることが、来季の浦和が追求していく理想形ということになるのだろう。

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