福田正博が分析するW杯H組。厳しいが、2勝1分か1勝2分は可能だ (3ページ目)

  • 津金壱郎●構成 text by Tsugane Ichiro
  • photo by Getty Images

 そして、日本にとってもっとも厄介な相手は、初戦で当たるコロンビアだ。ブラジル大会で1-4と大差で負けた南米の強豪だが、日本は南米勢との相性が圧倒的に悪い。過去のW杯を振り返っても、決勝トーナメント進出を逃した大会では同グループに決まって南米のチームがいた。

 南米勢を苦手にしている理由は、サッカーに対する彼らの価値観が日本人とは異質だからではないかと思う。彼らの自由な発想力、したたかさ、駆け引きのうまさは、生真面目で正直な日本人の想像を超えたところにある。日本が組織的に試合を進めていても、彼らの型破りなプレーで綻びを突かれて、結局はやられるパターンが多いのはそのためだ。

 ブラジル大会ではベスト8に進んだコロンビアは、その成績を上回るだけの戦力が整っている。ケガで前回大会を欠場したラダメル・ファルカオは昨年からモナコに戻って好調を維持しており、今夏バイエルンに移籍したハメス・ロドリゲスは、試合に出場しながらコンディションを上げている。

 そんなレベルの高い選手たちを指揮するのは、アルゼンチン人のホセ・ペケルマン監督。自国代表を率いた経験もある老練な指揮官のもとで、状況に応じて戦い方を変えられるチームを築いている。DFラインからビルドアップするだけではなく、相手に合わせてロングボールを使うなど、あらゆる方法で相手を揺さぶってくる。

3 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る