川崎Fの歴史は、中村憲剛の歴史。
いま感じる「やっぱ優勝はいいな」

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 しかし、中村は自身を"生けるレジェンド"とあがめる向きを軽くいなすように、こう語る。

「僕なんかより、もっと長くフロンターレを応援してくれているサポーターもたくさんいるから」

 無冠が長く続いたとはいえ、川崎は遅かれ早かれ、いずれJ1優勝を果たしたはずである。だが、川崎を支える多くのサポーターは、単なる優勝ではなく、「ケンゴと一緒に優勝」することを望んでいたのではないだろうか。

 初優勝が中村とともに成し遂げられたことは、川崎の歴史において非常に重要な意味を持つ、価値ある出来事なのだと思う。

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