未完成のグランパス。「第2次風間革命」の嵐はJ1で吹き荒れるのか (4ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by Nikkan sports/AFLO

 スコアレスドローは、名古屋にとっては珍しい結果ではある(今季は第12節の山形戦のみ)。それでも、引き分けでも勝ち上がれる状況を生かしたという意味では、最高の結果であることに変わりはない。

「1年でJ1に復帰しなければいけないなかで、最低限の結果が出せてホッとしています。ただ、ここからがスタートです」

 キャプテンを務めた佐藤は安堵の表情で試合を振り返った。まさかの降格から1年――名古屋にとっては苦悩のシーズンだったことは間違いない。

「新しいメンバーで、新しい監督のもと、イチからチームを作り上げていったなか、本当にJ1に戻れるかと思われた人もいたでしょうし、僕たちもこのままで大丈夫かと思う時期もあった」

 佐藤はそう心境を明かした。そしてこう続ける。

「でも、支えになったのは、自分たちが普段から行なっているトレーニング。グラウンドで何ができているか、そこの積み重ねがこの結果につながったと思うので、信じてやってきてよかった」

 2012年の途中に川崎フロンターレの指揮官に就任した風間監督は、5年かけてチームを強豪に仕立て上げた。その成果は退任してから現れることになったが、根底にあるのは「巧さと強さは同じである」という考え方だろう。

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