2017.12.03

難病のFC岐阜前社長が、
サポーターに転身して車椅子席から見た今季

  • 恩田聖敬●文 text by Onda Satoshi


 ようやく未来への積み上げが本格的に始まります。今年1年、クラブを観てきて、そんな気配を強く感じます。多くの期待を背負い、J1への道をゆっくりでいいから、一歩一歩足場を踏み固めて進んでほしいです。

 個人的に今シーズン寂しかったのは、岐阜県出身の選手がひとりもいなくなってしまったことです。岐阜県で「プロになりたい!」と願う子供たちの夢は、FC岐阜のサッカースクールやユースチームが受け皿となり、叶えてあげてほしいです。

 ぎふの地が、子供たちが夢を見られる地であれば、ぎふの未来は安泰です。なぜなら、子供たちの作る未来に我々大人は住まわせてもらうのだから。

(つづく)

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【profile】
恩田聖敬(おんだ・さとし)
1978年生まれ。岐阜県出身。Jリーグ・FC岐阜の社長に史上最年少の35歳で就任。現場主義を掲げ、チーム再建に尽力。就任と同時期にALSを発症。2015年末、 病状の進行により職務遂行困難となり、やむなく社長を辞任。翌年、「ALSでも自分らしく生きる」をモットーに、クラウドファンディングで創業資金を募り、(株)まんまる笑店を設立。講演、研修、執筆等を全国で行なう。今秋、対談本『2人の障がい者社長が語る絶望への処方箋』を出版。私生活では2児の父。

※ALS(筋萎縮性側索硬化症)とは、手足・のど・舌の筋肉や呼吸に必要な筋肉がだんだん痩せて、力がなくなっていく病気。 最終的には自発呼吸ができなくなり、人工呼吸器をつけないと死に至る。 筋肉そのものの病気ではなく、筋肉を動かし、運動をつかさどる神経が障害を受け、脳からの命令が伝わらなくなることにより、力が弱くなり筋肉が痩せていく。その一方で、体の感覚や知能、視力や聴力、内臓機能などはすべて保たれることが普通。
発症は10万人に1人か2人と言われており、現代の医学でも原因は究明できず、効果的な治療法は確立されていない。日本には現在約9000人の患者がいると言われている。

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