難病のFC岐阜前社長が、サポーターに転身して車椅子席から見た今季 (3ページ目)

  • 恩田聖敬●文 text by Onda Satoshi


 私が観戦している、バックスタンド車椅子席まで、毎試合わざわざ挨拶に来てくださる方、私の名前である、3104(3=さ、10=と、4=し)のユニフォームを毎年プレゼントしてくださる方、子供ができたと報告してくださる、私の社長在任中にスタジアムウエディングをした夫婦サポーター......何物にも代えられない絆をありがとうございます。ホーム最終戦では、「また来年!」と多くのサポーターと挨拶しました。来シーズンもよろしくお願いします!

 また、今シーズンは本当に些少ながら、"まんまる笑店"としてFC岐阜のスポンサーをやらせていただきました。株式会社まんまる笑店とは、2016年6月30日に私が設立し、現在、私が社長を務める会社です。スタジアムに掲出されているバナー広告には、「ぎふから日本を元気に!」と書いてあります。このメッセージに込めた思いや、まんまる笑店の具体的な活動内容は、次回の後編で詳しく書こうと思います。FC岐阜の営業担当はウチにもシーズン報告に来てくれました。照れるけど嬉しいです(笑)。今後も会社の身の丈に合った範囲で、スポンサーを続けていきたいです。

 最後に自戒の念も込めて、FC岐阜の未来について記そうと思います。

 今までのFC岐阜は、私の社長在任中も含めて、1年かけて積み上げたものがほとんど翌年に引き継がれませんでした。チーム編成もしかり、スポンサー営業もしかり、中長期的なビジョンに会社を導くだけの、組織力と余裕を作り出すことができませんでした。私が唯一創った未来へつながる流れは、2015年の会社黒字化だけです。慢性財政難だったFC岐阜が、その後は黒字経営が続いています。私も経営者の端くれとして、黒字化は至上命題として達成しました。

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