難病のFC岐阜前社長が、サポーターに転身して車椅子席から見た今季 (2ページ目)

  • 恩田聖敬●文 text by Onda Satoshi


 その試合ぶりは、「今、FC岐阜のサッカーが面白い!」「パス数、リーグ1位!」のように、各種メディアに取り上げられました。私が社長在任中も、さまざまなメディアに取り上げていただきましたが、残念ながら今シーズンのように"サッカーの中身"を特集されることはありませんでした。

 最終順位は18位と、結果が伴ったとは言い難いですが、大木監督の続投も決まり、戦術が成熟するであろう来シーズンがとても楽しみです。

 一方、スタジアムにおけるサッカー以外のさまざまなイベントにも磨きをかけ、私がやりたくてできなかった市町村からの団体集客など、集客にこだわる姿勢をクラブは示してくれました。これらのイベントに加え、前述したように"試合"というメインディッシュをしっかりと手に入れたFC岐阜のスタジアムは、お客様の心をつかみます。名古屋グランパスとのダービーマッチでは、歴代最高観客数を大幅に更新する1万7017人の動員を達成し、平均観客数は6977人と、観客数は前年比大幅アップという結果になりました。観客数の順位なら、既にJ2トップテンに入っています。ラモス瑠偉監督というスーパースターの後を、FC岐阜は見事に進みました。宮田博之社長をはじめとするスタッフの方々の不断の努力が、この結果に結びついたのだと思います。頭が下がります。

今季の名古屋グランパス戦で歴代最高観客数を更新!今季の名古屋グランパス戦で歴代最高観客数を更新!
 一方、サポーターの皆様は、変わらず笑顔で接してくれています。社長在任時に作ってもらった私の横断幕も、毎試合2階のコンコースに掲げられています。私とサポーターの絆は、そのままFC岐阜との絆です。絆を作れたこと、嬉しく思います。

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