アビスパの意識に引き分けなし。
J1かけたグランパス戦で奏功するか

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by Getty Images

「引き分け=勝利」というレギュレーションが上位チームの戦い方を難しくしているのは間違いないだろう。「引き分けでもいい」という慎重な姿勢が消極性を誘い、逆に勝たなければいけない状況で、ある意味で失うものがない下位チームの勢いに飲まれてしまうのだ。

 しかし普通に考えれば、「引き分け=勝利」は大きなアドバンテージであることも確かだ。ホームで戦えることも含め、その優位性をいかに活用するのかが昇格プレーオフにおける上位陣の重要なテーマとなるのだ。

 11月26日、リーグ戦で4位の福岡は"ホーム"に5位の東京ヴェルディを迎え、昇格プレーオフの準決勝を戦った。本拠地のレベルファイブスタジアムが改修のために使用できず、ロアッソ熊本のホームスタジアムでの開催となったが、9000人近いファンが集結し、十分に"ホーム"の雰囲気が作られたなかでの一戦だった。

 リーグ戦上位チームとして臨んだこの一戦で、福岡は実にしたたかな戦いぶりを披露した。開始14分にMF山瀬功治のゴールで先制すると、その後は安定した守備で東京Vにチャンスすら与えなかった。そのまま虎の子の1点を守り抜き、12月3日に行なわれるファイナルに駒を進めている。

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