選手が2人になっても諦めない。ユース監督・永井秀樹のヴェルディ再建 (5ページ目)

  • 会津泰成●文・撮影 text&photo by Aizu Yasunari

「2010年に羽生(英之)社長がヴェルディ再建に関わって、ヴェルディに来ていただけていなければ、今頃ヴェルディは取り返しのつかない状況に陥っていたはず。そういう意味では最大の救世主であるその社長から、愛着のあるクラブ再建のチャンスをいただけたのだから、自分のできることのすべて、貢献できることを、最大限の力を注いで取り組んでいきたい。ヴェルディがヴェルディであるための『型』を作り、そして未来のヴェルディに貢献できる選手を、ひとりでも多く育てたい。そう思っている」

 たまたま外国人選手の補強がうまくいって一時的にJ1に昇格できたとしても、その選手がいなくなった途端、勝てなくなるチームは多々ある。永井の求めるヴェルディは、決してそういうチームではない。

 9月23日、首位フロンターレU-18との試合を終えた時点で、プリンスリーグ関東は残り4試合(※11月23日時点で残り2試合)。プレミアリーグ昇格参入戦の資格を得られる3位以内に入るためには、4位のヴェルディユースはひとつも落とせない厳しい戦いが続く。

 永井は言う。

「だからといって、やることは何も変わらない。とにかく、いいサッカーを追求する。『90分間ボールを持って、スペースを支配し、ゲームを支配する。相手を圧倒して、結果的に勝つ』というスタイルのサッカー。そして、メンバーが入れ替わったとしても、常に同じサッカーができるように選手の可能性を日々探り、質を向上させていく。

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