泣くな、松本山雅。J1を逃すも、まだ反町監督と理解あるファンがいる (6ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Masashi Hara - JL/Getty Images for DAZN

 反町監督は今季の結果を受けて、「私の実力不足と責任を感じている」と言いながらも、「私がやるべきことはやってきたつもり。それだけは胸を張って言いたい」と、はっきり口にする。だからこそ、来季については「クラブが判断すること」。言い換えれば、クラブさえ承知してくれるなら続ける意思がある。少なくとも、自分からケツをまくるつもりはない、と解釈してもいいだろう。

 短命傾向の強いJクラブの監督において、同一クラブを最も長く率いたのはガンバ大阪の西野朗監督だが、それでも10シーズン(2002~2011年)。海外に目を向ければ、マンチェスター・ユナイテッドを27シーズン率いたアレックス・ファーガソンや、アーセナルを20シーズン以上指揮し続けているアーセン・ベンゲルのような存在もある。長期政権がマンネリを生む危険性はもちろんあるが、一方で、じっくりと腰をすえて取り組まなければ実現できないこともある。

 Jクラブとしての松本を率いた監督は、いまだ反町ただひとり。とはいえ、松本の歴史が常に反町とともにあったと言っても、その歴史はまだ"たったの"6シーズンに過ぎない。

 反町が監督でなければ、これほどの短期間でJ1昇格が実現することはなかったのではないか。これ以上、反町に任せていたら、クラブの成長は望めないのか。

 ただ漠然と「そろそろ監督を変えたほうがいいのかも」ではなく、そうしたことを冷静に判断する必要がある。

"松本のファーガソン"は二の矢、三の矢を放つべく、すでにあれこれと知恵をめぐらせているはずである。

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