泣くな、松本山雅。J1を逃すも、まだ反町監督と理解あるファンがいる (4ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Masashi Hara - JL/Getty Images for DAZN

 反町監督は、今季躍進したV・ファーレン長崎やジェフ千葉を例に挙げ、「我々は昨年の成績でそのままいけば(J1に昇格できる)という感じだったが、他のクラブは資金繰りも含め、本当に必死でやっている」と言う。その一方で自らの現状について、「昨年と同じメンバーでやっていて、平均年齢は30歳。平行線のままやらなければいけないのはツラかった。新しい血が化学変化を起こすが、我々には刺激が少なく、他のクラブの刺激に圧倒されるシーズンだった」と振り返った。

 いつまでも過去を懐かしみ、もっと走れと尻を叩くだけでは、ジリ貧になるのは目に見えている。来季に向け、松本に変革が求められていることは間違いない。「人」を変えるのか。あるいは、「やり方」を変えるのか。

 当然、船頭を変えるのはひとつの手だろう。2年連続でJ1昇格を逃したことは、その理由としてそれなりに正当性もある。

 とはいえ、今の松本を見ていると、せっかく築き上げた反町監督との関係を解消してしまうのはもったいないように思える。まして反町監督は、決して恵まれた環境にあるとは言えないクラブをJ1昇格まで導いた知将である。今までのアプローチとは異なる、次なる一手にも十分期待できるはずだ。

 加えて、ズバズバとものを言う人である。憎まれ口を利きながらも、松本が強くなるために何が必要なのか。単にピッチ上のことだけでなく、選手育成や練習環境なども含めてさまざまなアイデアを出してくれるに違いない。

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