欧州遠征2戦を見た福田正博は、ハリルJのどこに一番不安を感じたか (5ページ目)

  • 津金壱郎●構成 text by Tsugane Ichiro
  • 藤田真郷●撮影photo by Fujita Masato

 ブラジルも日本と同様に堅守速攻のチームだが、状況に応じてDFラインでボールを回してテンポを変えることができる。それは、ポゼッションもカウンターも両方できる選手が揃っているからであり、いろんな戦い方を選べるなかで、勝つためにカウンターを最優先とした戦術を採用しているにすぎない。そのブラジル代表と比較して、日本代表は90分間で攻守にメリハリをつけることができていない印象だ。

 ハリルホジッチ監督の志向する戦い方は、W杯で格上を相手にすることになる日本代表の立ち位置としては理解できる。ただ、ブラジルやベルギーほど人材が豊富ではない日本代表にあっては、そのよさが最大限に発揮されているようには思えないのだ。W杯本番まで時間はないが、日本人の持ち味である規律正しさや組織力を最大限生かして、フィジカルに劣るという日本人の弱点を最小化する戦い方の再構築をハリルホジッチ監督に期待したいところだ。

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