久保建英より先に17歳MFがデビュー。ヤングFC東京に希望はあるか (4ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Rodrigo Reyes Marin/AFLO

「FC東京は右で作って、ボランチをフリーにし、左の太田宏介からのクロス」

 鳥栖陣営はその形だけを徹底的に警戒。何度か危うい場面はあったが、それをしのぐと、試合のイニシアチブを握っている。後半途中、鳥栖は5-3-2に切り替えたことで受身に回る時間が増え、FC東京が攻めた印象は残ったが、決定機はほとんど作らせていない。

 アディショナルタイム、FC東京は交代出場の大久保嘉人が1点を返したが、相手のディフェンダーの凡ミスを拾ったもので、次につながる気配のないゴールだった。大久保自身、全く覇気を欠いた。マジョルカ時代から取材しているが、鳥栖戦ほどプレーに入っていない姿は初めてだ。

「東京の選手は、もっと自信を持ってプレーすべき」

 大久保はそう言い続けてきたが、チームとしての調和が見えず、選手ひとりひとりが何をするべきか、見失っている状況に近い。

 これで、若手の才能を伸ばすことができるのだろうか?

「久保はいい形でボールが入れば、チャンスは作れる選手ですね。ボールの置きどころがいいし、パスセンスもあって、J1でもできるはず。ボールを持ったら違いを出せますからね」

 J3でも一緒にプレーした橋本は、デビューが待望される久保についてそう語っていた。

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