久保建英より先に17歳MFがデビュー。
ヤングFC東京に希望はあるか

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Rodrigo Reyes Marin/AFLO

「J1リーグ優勝、アジア制覇」

 FC東京は首都のクラブとして高い目標を掲げてきたが、今シーズンは「アジアチャンピオンズリーグ出場権」と現実的に下方修正している。しかし結局、その目標にも遠く及ばなかった。

 9月には公式戦5連敗で10位に沈み、篠田善之監督を解任した。その後はコーチから昇格した安間貴義監督が引き継いだが、現在も12位に低迷。なによりサッカーの形すら見つけられず、迷走したままシーズンを終えようとしている。

「東京はどうしたんだろう?」と、対戦した鳥栖の選手たちが訝(いぶか)しむほどの内容だった。

「パスをつなぐ」

 FC東京はそれが基本路線のようだが、論理的に無理があった。FC東京の3バックは、自らプレスを外して縦パスを入れたり、ボールを持って運んだりするようなタイプではない。しかも鳥栖戦は、3人とも中央に絞ったポジションを取るので、ボランチが落ちる余地もなく、ボール回しに動きが出ず、ひどく窮屈だった。ビルドアップでもたつくと両ワイドの選手が下がらざるを得ず、結局5バックになって後ろが重くなり、ボールをつなげるどころではない。

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