31歳で突然変異か。フットサルFリーグ
9年ぶりの日本出身得点王へ

  • 河合拓●取材・文・撮影 text & photo by Kawai Taku

 とはいえ、ここまでの大爆発ぶりはチームにとってもうれしい誤算だろう。なにせシーズン開幕前に谷本俊介監督と立てていた目標は20得点。その目標を早々に達成したあとも、このままいけば年間50得点という驚異的なペースでゴールを量産し続けている。Fリーグの年間最多ゴール記録は2015−2016シーズンFPヴィニシウス(シュライカー大阪)が打ち立てた年間48ゴール。この記録の更新さえも狙える勢いだ。

 なぜ今季の渡邉は、キャリア平均4倍ものハイペースでゴールを決め続けることができているのか。日本代表でも一緒にプレーするチームメイトのFP皆本晃は、渡邉の変化をこう指摘する。

「反転シュートは明らかに増えました。昨シーズンは反転して決めたゴールは1点か2点しかなかったのが、今年はけっこう増えています。チームで(反転シュートを増やしていこうと)話したわけでもないので、『意外と反転するんだな』と驚いたくらい」

 31歳のピヴォの進化を、ゴール数が増加した理由に挙げた。

 FP完山徹一は「特別にボールを集めようとしているわけではないですし、トモ(渡邉)に点を獲らせようとか、何かを変えたということはないんですよね」と首をかしげる。そして「強烈なミドルシュートを打つとか、そういう選手ではないのですが、点を獲る場所に顔を出して決めてくれている印象はあります」と続けた。

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