6位から首位へ。大岩剛監督はどうやってアントラーズを蘇らせたのか (5ページ目)

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 でも、逆に攻撃がうまくいっていれば、たとえ失点したとしても取り返そうとなる。『攻撃は最大の防御』という言葉がありますけど、まさに攻撃にどんどん人数をかけたり、必死になっていろいろなバリエーションを作っていくことによって、そのぶん後ろもリスクマネージメントしようという意識も働いてくるわけです。だから、(監督になって初采配となった第14節の)サンフレッチェ広島戦では、もっと選手を追い越す動きを多くしよう、ワンツーを使っていこうと、得点を奪うために攻撃のバリエーションを増やそうとしたんです。攻撃に比重を置いたのは、そうした効果を狙っていたところもあります。

―― 結果が出ないときは、まず守備に着手しそうですが、そこであえて攻撃に取り組むことで、守備をも安定させたということですよね。

大岩 ポイントとしては攻撃に人数をかけるため、第一ボランチは守備のリスクマネージメントができる必要があった。まあ、それもこれも『鹿島』というクラブだったからこそできたことです。ポテンシャルのある選手がいるからこそ、できたアプローチだったと思っています。これが失点が止まらない状況だったら、どう判断していたかはわからない。

―― DF出身だけに守備を第一に考えるかなと思っていました。

大岩 守備に関してはあまり変えていないですね。改善したいところもありますけど、やはり守備は組織なので、シーズン中にそこを大きく変える必要はないかなと。むしろ、監督になったときの自分の狙いとしては攻撃だったんです。

5 / 6

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る